ギモン解決!ITILのインシデント管理まとめ

TOP > ITILのインシデント管理について > ITILのインシデント管理を振り返る

ITILのインシデント管理を振り返る

企業のIT運用を見直す動きが活発化しています。
その中で多いのが、数年前にITILに乗りだしたけれど、うまく成果を上げられているか実感がないというもの。
そもそも何のために何を導入したかも定かではないという経営陣もいる中、費用対効果の成果報告を迫られるとすれば、確かに苦しい立場でしょう。
また、導入の次のステップとして何をすればいいのかわからない、という声も少なからず聞こえてきます。
ITILに取り組んで来た企業も、これから取り組もうとしている企業も、そもそもの活動ビジョンを振り返ってみる必要があるかもしれませんね。
それにはまず、ITILに何を期待していた・しているかをあらためて考えてみるのがお勧めです。
そこに具体的な現場の問題点が挙げられるとすれば、それが目指すべきビジョンを明確化してくれることになります。


よくある現場の問題点や要望を挙げてみましょう。
IT関連のトラブルが起こった場合、特定の人物しか対応が出来ないという属人化を解消したい。
業務の流れを見える化して、作業証跡を残すことで監査対策に利用したい。
一般ユーザーからのクレームやサービスリクエストに応えることで、サービス品質を向上させたい。
そもそもそうしたトラブル自体を減らすインシデント管理をしたい。
このような、具体的に取り組むべき課題こそがITILを継続するための指針になります。
指針が常に明文化されていれば、そもそも何のために導入したのか論にはなりません。
怖いのは、いつの間にか目的がすり替わり、ブレることです。
明文化したビジョンに定期的に関係各所が立ち戻り、ITIL活動の目的を再確認しながら進めて行くことが何より重要です。


ITIL活動を妨げる要因は、組織内にあることが大半です。
例えば運用ルールがない、もしくは現実的ではないために徹底されていないという実態はないでしょうか。
管理者不在でルールが浸透していない場合や、経営者への説明不足という場合もあります。
上層部へ報告書を作成する手間や時間ばかりかかって、肝心の業務が進まないという場合もあります。
実行しやすくシンプルなルールでなければ形骸化しますし、利用者にも管理者にも現状どうなっているかが公開されていることも重要。
ガチガチに縛りすぎてもいけませんし、とりあえず始めてから考えようと言って、何年も放置したままというのもいけません。
成功している企業は、共通の目的に向かって誰もが実行出来る運用ルールがあり、定期的に振り返るルーティンが出来ています。

次の記事へ