ギモン解決!ITILのインシデント管理まとめ

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ITILのインシデント管理は至極当たり前のサービス業務

IT運用業務を効率化するために、教科書となるのがITILです。
ITILは「IT Infrastructure Library」のことで、経費がかかりがちなITサービスを、いかに経営陣の納得の行く形で運用するかというガイドライン。
確立したのはイギリスですが、現在世界各国で啓蒙活動が行われおり、日本にも波及していますね。
特にサービスサポートの考え方には注目が集まっており、その中に「インシデント管理」というものがあります。
インシデントというのは、ユーザーからの要望や不具合の報告など、あらゆるサービスリクエストを総称するワード。
ただ、ここで言うユーザーは一般顧客を指すのと同時に、IT部門以外の部門や経営陣、グループ会社なども指しているのが大きなポイント。
つまり、ITILにはITの企業内サービスという観点も含まれており、企業が投資に見合うサービスを受けられることも重要視しているのが特徴です。


インシデント管理では、サービスの停止を最小限に抑え、とりあえずサービスが出来る状況にすることを最優先します。
例え根本原因が解明されていない状況でも、何とかサービスを使える状態に持って行くのが重要。
同時に、そうしたインシデントが起こらないよう、先回りしてトラブルの芽を積むことも重視します。
つまり、将来起こり得るインシデントの数を減らすリスクヘッジの意味も持っています。
これはIT以外のサービスでは当然に行われていることです。
例えば、エアコンの不具合で利用者からサービス窓口に連絡が来た場合、同型の機器をチェックし、過去事例を調査して応急処置を優先します。
とりあえずしばらくは安全に使える状態になれば、利用者は暑さ寒さの我慢を強いられる状況からは解放されますよね。
インシデント管理はこれに該当すると考えれば良いでしょう。
こうしたサポート対応は、どんなサービスにおいても実は当前の考え方と言えます。


前述の例で言えば、エアコンの不調の根本原因を調査して、原因を特定するのが次のステップになります。
サービスサポートにはインシデント管理の他に、問題管理、変更管理などもあり、これらが連携して一連の活動になります。
例えば、同じ型で同じ事象がほかのユーザーでも発生する可能性があるなら、未然に修理すべきかどうかを検討するのが変更管理です。
実際に変更を実施するならリリース管理が必要ですし、変更によって影響を受ける構成管理も必要になります。
ITILは、IT運用がシステム化されることで業務の効率化が期待出来る上に、サービスレベルが上がるというメリットがあります。
ITILは運用担当者が楽をするためのものではなく、経営者がIT運用管理費用を適切に判断するためにも必要なものです。
業務量と運用予算を合理化しながら、最終的には顧客サービスの質を向上させる、これが企業がITILを活用する一番のメリットです。

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